2025.02.03理美容
40代の美容師が後世に残したいもの
こんにちはRoot4 Beautyです。
今回は「後世に残したいもの」というテーマについてお伝えします。
なかなか壮大なテーマですね。
正解はありませんが、筆者が思うことを書きたいと思います。
その前にまず、美容師さんを目指す人が減ってきているという事実があります。
たとえ美容師さんになったとしても、1年もしないで辞めてしまう人がいます。
さらに、突然ぶっちぎってお店に来なくなる人もいます。
そういう方のほとんどは、美容師さんの本当の楽しさを知らないまま業界を去ります。
すごくもったいないですよね。
とはいえ、その原因は何なのでしょうか?
少し考えてみたいと思います。
■私たちが美容の本当の楽しさを伝えきれていない
結論から言うと、それらはすべて私たち世代の美容師さんのせいだと思っています。
筆者自身は、美容業界(美容師に限らず)は最高の職業だと、心の底から思っています。
この記事をご覧のあなたも、同じだと思います。
とはいえ、「美容の本当の楽しさを伝えきれているかな?」と、自分自身に問うときがあります。
筆者は過去に美容イベントを立ち上げ、プロデュースをしていた時期がありました。
そのきっかけになったときのことをお伝えします。
筆者がアシスタント1年目や2年目のときは美容ブームでした。
俗に言う「カリスマ美容師ブーム」で、美容室も出せば儲かる、さらにはヘアカラーブームも重なって、美容師さんになりたいという人も急激に増えた時期でした。
その時はヘアショーも毎週のように各地で行われ、某有名美容室は日本武道館でヘアショーをやるぐらいでした。
なので、私自身はヘアショーをたくさん見に行った記憶があります。
おそらく同世代の美容師さんもそうだと思います。
そのときに私が思ったことは、
「やっぱり美容師さんってカッコいい」
「いつか自分もステージに立ちたい」
「あの人みたいになりたい」
ということ。
キラキラしている美容師さんたちを見て、ダイレクトに感銘を受けていました。
もちろんその頃はスマートフォンもなく、映像を気軽に見られる時代ではありません。
それを目に焼き付けて、一生懸命技術の練習に励んでいました。
ふと、自分が後輩を指導するような立場になって、そのことを思い返しました。
その時に、「自分は先輩方に素晴らしいものを見せてもらった。同じように自分がしてもらったことは後輩に返したい」という思いが芽生えました。
今度は自分がそういう舞台を作って、「後輩美容師さんや美容学生さんに刺激を与えられるようなことを自分たち世代がしていかなければ」と思ったのがきっかけで、ヘアショーのイベントを開催することを決めました。
さらに「自分たち世代でそれを止めてしまうのはダメだ」とも思いました。
現在は以前の美容業界と違って、ヘアショーやコンテストの数がかなり減っています。
便利な世の中になって、いろんな映像を手軽に見ることができるようになりました。
それはとても素晴らしいことです。
とはいえ、ライブでヘアショーを見たり、コンテストに出場したり、クリエイティブに触れることは配信や収録で見るよりも刺激を受ける差が大きくあります。
このように、自分たち世代は「美容の楽しさを伝えられているかな?」といつも思います。
ヘアショーは1つの例ですが、コンテストも同じです。
もちろんクリエイティブには生みの苦しみがあります。
しかし、1つのことに没頭して、時間もお金もかけてやり遂げたことは、成功してもしなくてもその人にしか体験できない領域に達します。
そこが「美容の本当の楽しさ」だと思います。
おそらく、私たち世代はこの部分を伝えきれていないのではないでしょうか?
ここを伝えるのはとても勇気がいることです。
中途半端な関係ではおそらく不可能でしょう。
とはいえ、時代が変わり形は違えど、本質の部分は変わらないと思います。
■私たち世代は数えきれないほど多くの壁を乗り越えてきた
少しお話を変えます。
以前の美容師業界は、雇用形態や福利厚生の面がとても悪かったですよね。これは事実です。
そこへ「このままではダメだ」ということで、ここ数年で一気に良くなりました。
それは自分たち世代の経営者さんや幹部の方々が頑張ったからだと思います。本当に素晴らしいことです。
しかしその反面、「昔=悪い」のイメージがついてしまっていることも事実です。
「昔のことは古い、古い考えはダメ」
もちろんそれが当てはまることもありますが、全てではありません。
「温故知新」という言葉があるように、昔のことでも古き良きものというのが必ずあります。
後世に残していかなければならないものも必ず存在します。
良いものを残しつつ悪いものを改善していくことで業界は良くなっていくと思います。
私たち世代は、自分たちが良かったと思うことをもっと伝えていくべきです。
さらに、「あの人みたいになりたい」と後輩達が思ってくれるような背中を自分たちは見せるべきです。
私たち世代は辛く厳しい下積みを耐えて、今現在も美容師をしていますよね。
なので、数え切れないほど多くの壁を乗り越えてきたと思います。
だから自分たち世代は「それ」ができるはずです。
■私たち世代が誇りを持つことが大事
後輩を見ていると、「美容師が楽しくないのかな?」と思うことがありますよね。
仕事が楽しければ、むしろ楽しませることが出来たなら、働く時間が長いということは楽しい時間が長いということです。
発想の転換が必要です。
「楽しい」と「楽しくない」は、紙一重だと思います。
そして、私たち世代は誇りを持ちましょう。
そもそも自分がやっている仕事のことを、胸を張って「最高の職業」と言えないのであれば、やる意味はないと思います。
まずは自分たちが胸を張って最高の職業と言えるように。
そして、変えていかなきゃいけない部分は積極的に変えて、自分たちが先輩からしてもらった素晴らしいことは残していくようにしましょう。
形は何でもいいと思います。
それぞれがそう思うことが大事だと思います。
さぁ、もう始まっていますね。
私たちが先頭に立って背中を見せる時代です。
誇りを持ちましょう。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
ではまた!