2024.11.21理美容
美容師さんが「客単価よりも時間単価」にこだわるべき理由
こんにちは、Root4 Beauty 編集部です。
今回は『美容師さんが「客単価よりも時間単価」にこだわるべき理由』ということ
についてお伝えします。
■美容師さんの客単価とは?
突然ですが、あなたは美容師として、
・客単価がもう少し上がればいいのにな
・客単価を上げましょう
・客単価を上げなければ給料が上がらない
などといったことでお悩みではないでしょうか?
実際に様々なシーンで直面すること(したこと)があると思います。
まずはじめに「客単価」とは何でしょうか?
客単価とは、1人のお客様がお支払いしていただく金額のことですよね。
お客様がお支払いいただく金額はメニューによってバラバラです。
カットで¥5,000の方もいれば、カラーリングとカットをして¥10,000のお客様もい
ます。
さらに、それはお店によってもバラバラですよね。
たとえば、1日のお客様が
・カットのお客様(¥5,000)
・カラーリングとカットのお客様(¥10,000)
の2名だったとしたら、その日の客単価は¥7,500です。
月間でこれを計算してみると、おおよその客単価がわかると思います。
(例:月間売上¥700,000、お客様100名であれば、単価は¥7,000)
と、まぁここまではほとんどの方がご存知だと思います。
「そんなことはわかってるよ」と、思いましたよね。
では、「客単価¥7,000は低いので¥1,000アップして¥8,000にしてください」と言
われました。(もしくは自分で思いました)
どうしますか?
おそらくほとんどの方が「トリートメントをおすすめします!」や「3Dカラーを
提案します!」など、プラスワンメニューで単価を上げますよね。
一生懸命お客様に提案して、頑張って頑張ってメニューを追加してもらう。
もしくは物販でも良いでしょう。
とにかくオーダーがあったメニューよりもさらにプラスの提案で単価を上げますよ
ね。
もちろんそれが正解です。
実際それに取り組むことによって客単価を上げることは出来ます。
客単価にこだわっている美容師さんは、言われなくてもそのようなことに取り組ん
でいると思います。
「これで客単価はアップした!バンザーイ」
、
、、
、、、
とはいかないんですよね。
もちろん客単価はアップしていますが、もう1つ考えないといけないことがあります
。
■客単価よりも時間単価
確かに先ほどお伝えしたようなことに取り組めば、客単価は上がります。
とはいえ、それだけだと売り上げが上がるかどうかは微妙です。
その理由をお伝えします。
実は、一概に客単価は高い方が良いとは言えません。
美容業界では客単価¥7,000の美容師さんよりも¥15,000の美容師さんのほうが優れ
ている。という風潮ですよね。
つまり、客単価は高ければ高い方が良いということです。(ぼくもそのような環境
で育ちました)
とはいえ、少し考えてみてください。
先ほど「客単価を上げるためにプラスワンメニューの提案をする」ということがあ
りました。
もちろんこれで客単価は上がります。
しかし、同じく上がるものがあります。
それは「時間」です。
たとえば、カットとカラーリングだと2時間ですが、3Dカラーをするので2時間30分
かかるとします。
この場合
①カットとカラーリング、2時間で¥10,000
②カットとカラーリングと3Dカラー、3時間で¥13,000
だとすると、もちろん客単価は②の方が¥3,000高いです。
なので、客単価で見ると②の方が高いということになります。
しかし、
①の美容師さんは、1日6時間で3名のお客様を担当したので、¥10,000×3名で
¥30,000の売上げでした。
②の美容師さんは、同じく1日6時間で2名のお客様を担当したので、¥13,000×2名
で¥26,000の売上げでした。
んーーー?
ってなりませんか?
そうですよね。
①の美容師さんの方が客単価は低いですが、1日の売上げは高いということです。
「客単価」を上げることはとても重要なことです。
一時期は「客単価=美容師さんの価値」とまで言われることもありました。
とはいえ、ただ単純に客単価が高ければ良いというわけではないことがわかりまし
たよね。
大切なのは「時間単価」です。
時間単価とは、その時間に対する単価がいくらか?ということです。
たとえば、さきほどの①の美容師さんの1時間あたりの時間単価は¥5,000です
。(¥30,000÷6時間)
②の美容師さんの1時間当たりの時間単価は¥4,333です。(¥26,000÷6時間)
もうおわかりですよね。
①の美容師さんより②の美容師さんの方が客単価は高かったですが、時間単価は低い
です。
つまり、客単価よりも時間単価が重要ということです。
これで一概に客単価が高い方が良いとは言えないことがわかりましたよね。
なので、客単価は目安のひとつにしか過ぎず、必ずしも高い方が良いということも
ないということです
客単価が高い方が良いというのはまぼろしです。
それよりも「時間単価」がすごく大事ということがわかりましたよね。
では、時間単価を上げていくには何をすればいいのでしょうか?
■時間単価を上げるのは結局練習
答えは簡単。
技術のスピードを上げていくことです。
たとえば、②の美容師さんの施術時間が2時間で終われるのであれば、時間単価は一
気に¥6,500まで上がります。
ということは何が大事でしょうか?
つまり、確実な技術が必要ということです。
スピーディーで確実な技術はどうやって手に入れるのでしょうか?
簡単ですね。
練習です。
毎日の地道な練習が必要です。
つまり何が言いたいかというと、ただ単純に客単価を上げることが良いということ
でもなく、客単価を上げるのは提案力ということでもありません。
大事なのは「時間単価」で、時間単価を上げるには確かな技術が必要ということで
す。
筆者の個人的な見解ですが、カットで「切る」行為、カラーリングで「塗る」行為
、パーマで「巻く」行為は全て作業だと思っています。
「デザインを売っている」という感覚で美容師をしていますので、「技術=手で作
る行為」は全て作業です。
仕上がりが同じクオリティなのであれば、間違いなく時間が早い方が良いと思って
います。
お客様の負担も少ないですよね。
ぼくたち美容師は、お客様の貴重な時間を頂いています。
これからはぜひ「客単価」よりも「時間単価」を意識してみてください。
時間単価を上げる方法は、技術の練習です。
ぼくたち美容師は練習ありき。
時間単価(客単価)が上がらないのは、技術レベルが上がっていないからです。
サロン全体の時間単価(客単価)が上がらないのは、サロン全体の技術レベルが上
がっていないからです。
なので、「客単価だけにこだわる美容師さんは危険ですよ」ということですね。
これを機に、新たな視点を持って次に進みましょう。
ぜひ参考にしてみてください。