2025.09.16理美容
美容室の倒産が3年連続で増加──Root4Beauty運営者が考える生き残るサロンの条件

こんにちは。Root4Beauty運営です。
今日は、Yahoo!ニュースで取り上げられていた「美容室の倒産が3年連続で増えている」という記事を読んで、とても考えさせられたことがありました。
同じ美容業界に身を置く者として、この現実を共有したいと思います。
参考記事:美容室の倒産が3年連続で増加、過去最多へ(Yahoo!ニュース/帝国データバンク調査)
美容室の倒産が過去最多ペースに
帝国データバンクの調査によれば、2025年1月〜8月に倒産した美容室は 157件。
前年同期(139件)をすでに上回り、3年連続で増加しています。
このままでは、通年で「過去最多」を更新する可能性が高いといいます。
これは単なる数字ではなく、僕たち美容師やサロン経営者の足元で起きているリアルな危機そのものです。
倒産の背景──競争・コスト高・人手不足
記事によると、美容室倒産の背景には大きく3つの要因があるそうです。
- 競争の激化:大手チェーンや低価格カット専門店、個人サロンが乱立し、顧客の取り合いが起きている
- コスト高:美容資材、水道光熱費、家賃、広告費などが上昇し続けている
- 人手不足:美容師やアシスタントが確保できず、サービス維持が困難になっている
特に「人手不足が原因の倒産」は2025年1〜8月だけで 9件に達し、すでに前年通年に並びました。
フリーランス化と雇用環境の変化
記事の中で印象的だったのが「美容師のフリーランス化」。
スキルや知名度を持つ美容師が独立を選び、従来のサロンでは人材確保が難しくなっています。
さらに、低賃金や長時間労働の改善を求めて既存スタッフが流出する動きも加速。
僕自身、現場でこうした“人がいなくなるサロン”の話を耳にする機会が増えました。
これは「美容師の働き方」そのものが変わってきている証拠だと感じます。
消費者側の変化──節約志向と値引き競争
倒産が増えている背景には、お客様側の変化もあります。
- コロナ禍後に「身だしなみ需要」は回復
- しかし 物価高による節約志向が強まり、来店頻度は減少傾向
- 都市部ではクーポン合戦や実質的な値下げ競争が加速
僕自身のサロンでも「以前より少し来店ペースを延ばした」というお客様が増えているのを実感しています。
この小さな変化が積み重なることで、経営全体に大きな影響が出ているのだと思います。
美容業界の二極化
調査データでは、美容業界が二極化していることも示されていました。
- 約3割が赤字経営
- 26%が減益(3年連続で増加)
一方で、SNSや口コミを活用し、増益を確保できているサロンも存在します。
「伸びるサロン」と「苦戦するサロン」の差はますます明確になっているのです。
求められるのは値上げ戦略とデジタル活用
記事では、経営改善の取り組みとして 値上げ戦略 や デジタル活用 が紹介されていました。
- サービスメニュー別に段階的に値上げ
- 常連向けの限定プログラム導入
- 顧客データに基づくマーケティング
ただ料金を上げるのではなく「納得できる体験」を提供すること。
この意識が、これからのサロン経営には不可欠だと僕も思います。
Root4Beauty運営者としての視点
この記事を読んで強く感じたのは、やはり 「感覚や慣習に頼った経営」では持続できない ということです。
- スタッフ育成や定着率を高める仕組み
- 集客や予約の効率化
- 料金改定をスムーズに伝える工夫
Root4Beautyでも「採用が難しい」「スタッフが定着しない」といった声を日々いただきます。
そんな課題を共有し、横のつながりを持てる場があることで、業界全体の孤立を減らしていけるのではないでしょうか。
最後に
今回のニュースは、美容師としてもRoot4Beautyの運営者としても「決して他人事ではない」と強く感じました。
ただ、落ち込む必要はありません。
“今”に気づいたからこそ、仕組みを整え、人を大切にし、サロンの個性を発揮すれば、美容業界はもっと良い方向に変わっていけると信じています。
Root4Beautyもその一助になれるよう、これからも「働きやすさ」と「つながり」を支える場を育てていきたいと思います。
読んでくださりありがとうございました。
一緒に、より良い美容業界をつくっていきましょう。
