2025.08.06理美容

無断キャンセル問題に思う、美容師として守りたい信頼のこと

美容業界で働く皆さんなら、きっと一度は経験したことがあるかもしれません。
「無断キャンセル」。

先日SNSで目にした投稿が、気になりました。
「無断キャンセルされるのは、された側に問題がある」
「そうならない“仕組み”を作ればいいだけ」

こういった声、もしかすると正論のように聞こえるかもしれません。
でも、現場に立つ美容師としては、少し引っかかるものがありました。


無断キャンセルと「ただのキャンセル」はまったく違う

私たち美容師の仕事は「時間」を商品として扱う仕事です。
お客様ひとりのために、1〜2時間の時間を空け、準備し、心を整えて待っています。

突然のキャンセルがあっても、それ自体は人間同士、仕方ないこともあります。

・体調不良
・お子さんの発熱
・仕事での急な予定変更

理由があることは、私たちもよくわかっていますし、「お大事にしてくださいね」と声をかけることもあります。

でも、「無断」であることは違います。

連絡がなかったという事実には、どうしても小さくないショックがあるのです。


信頼関係は、“伝えようとする気持ち”で保たれている

たとえば、ひとこと「行けなくなりました」とメッセージをもらえたら、
キャンセルであっても私たちの気持ちは違います。

でも、連絡なしで来店されなかった場合、
「私たちの時間は、その方にとって“どうでもいいもの”だったのかな?」と感じてしまうこともあるのです。

これは単なる損失ではなく、信頼の断絶に近い体験。

だからこそ、業界内でも「無断キャンセルはやめてほしい」と何度も発信が繰り返されているのです。


「された側に問題がある」という言葉は、ちょっと乱暴では?

確かに、美容室として仕組みを整える努力は必要です。

・リマインドメッセージの送信
・キャンセルポリシーの明示
・予約ルールの見直し

でも、それは「無断キャンセルされても仕方ない」ことを前提にした話ではありません。
あくまでも、“お互いにリスペクトし合う関係”がベースにあってこその工夫です。

「無断キャンセルされたのは、されるほうに原因がある」
この言葉は、現場で悩んでいる美容師の心を切り捨ててしまう可能性があると感じています。


SNSで伝えるとき、「誰に向けた言葉か?」を意識したい

SNSの発信って、とても便利だけど、「誰に向けた言葉か?」が伝わりづらいこともありますよね。

美容師に向けたアドバイスのつもりだったかもしれないし、
お客様に向けた注意喚起だったかもしれない。

でもその前提がはっきりしないと、読んだ人が自分の解釈で受け取ってしまい、
かえって議論がズレてしまうこともあります。

私たちはRoot4Beautyというサービスを通して、
「本音を安心して話せる場」を提供していきたいと思っています。

「誰かを責める」ためじゃなく、「本当はどうしたらもっと気持ちよく働けるか」を一緒に考えていく場。
無断キャンセルという一見ネガティブな話題でも、そうした前向きな議論ができたら嬉しいです。


✂ まとめ:信頼関係を支えるのは、小さな「連絡する」という行動

・キャンセルは仕方ない。でも、無断キャンセルは別問題
・私たちが感じるのは、「伝えようとしてもらえなかった」という寂しさ
・仕組みは大事。でも、信頼の土台があってこそ
・SNSでは前提が曖昧になるからこそ、伝え方に丁寧さを


Root4Beautyでは、こういった現場のリアルな声を大切にしています。
予約の工夫や信頼関係の築き方、他の美容師さんの声を知りたい方は、ぜひアプリ内コミュニティもチェックしてみてください。

共感した方は、この記事をシェアしてもらえると嬉しいです。
あなたの「信頼を守るために工夫していること」も、ぜひ教えてくださいね。


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