2025.05.17理美容
仕組みに埋もれないために。「普通の美容師」がこれから生き残る方法

こんにちは、Root4Beautyの平井です。
先日の記事「“人で勝負する仕事”に、仕組みは必要ないのか?」を読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
SNSやRoot4Beauty内でも多くのリアクションをいただき、改めて「今の美容業界の課題や可能性って、みんな感じているんだな」と実感しました。
その中で、こんな質問や声がいくつも届いたんです。
「じゃあ、私みたいな“普通の美容師”は、どうやってこれからを生き抜けばいいんでしょうか?」
実は、僕自身もずっとこの問いを抱えていました。
だから今回は、そのテーマに真っ向から向き合ってみようと思います。
中間層って、たぶん「僕たち」のことなんですよね
これはあくまで僕の肌感ですが、美容業界のスタッフは大きく3層に分かれているように思います。
・才能と努力で突き抜けるトッププレイヤー
・まだ成長途中のビギナー層
・そして、その真ん中にいる「中間層」
中間層というと地味に聞こえるかもしれませんが、実際にはこの層が一番多く、一番業界を支えています。
目立たなくても、SNSでバズらなくても、毎日しっかり出勤して、丁寧な技術と接客を積み重ねている美容師たち。
僕自身もまさに、この中間層に身を置いてきた一人です。
そして今でもその視点を持ち続けているつもりです。
仕組み化が進む中で、中間層が感じている違和感
ここ数年で、美容業界の仕組み化やデジタル化は一気に加速しました。
・予約やカルテのシステム化
・技術や接客のマニュアル化
・SNSや集客のテンプレート運用
こうした仕組みが整えば、現場の負担は確かに減るし、効率も上がります。
でも、それによってふと湧いてくる感情があるんです。
「この頑張り、ちゃんと評価されてるのかな?」
「誰でもできるなら、自分じゃなくてもいいってこと?」
「そもそも、私は何を強みにしていけばいいの?」
これは、仕組みによって「できる人」がより輝き、成長中のスタッフは守られる一方で、
中間層が“目立たない存在”になってしまっている現実でもあります。
中間層が今すぐ持つべき「武器」とは?
じゃあ、どうすればいいのか?
僕はいつも伝えています。
「自分の“強み”をちゃんと自覚すること」
「そして、その強みを“役割”として言語化すること」 です。
たとえば、
・シャンプーの気持ちよさに定評がある
・時間通りに施術を終える段取りの良さ
・後輩から信頼される“聞き役”としての存在感
・お客様との距離感の取り方が絶妙
・ムードメーカーとして店内の雰囲気を整える力
こういう「数字になりづらいけど、確実に価値がある力」こそが、中間層の武器です。
これが“安定したサロン運営”には欠かせない要素であることを、もっと業界として評価していくべきだと思っています。
「目立たないけど、いなきゃ困る」存在にこそ価値がある
僕がこれまでいろんなサロンで見てきた中で、こういう人が必ずいました。
・派手さはないけど、毎日変わらずしっかり働く人
・後輩が相談しやすいように気を配ってくれる人
・お客様の名前や背景を誰より覚えている人
こういう人がいることで、サロンは回るし、チームは安定します。
「いなきゃ困る人」になることって、実はすごく大きな価値なんです。
それは、売上やフォロワー数とは違った意味で、サロンに“欠かせない存在”になるということ。
「普通でもいい」でも、「自覚すること」は大事
僕は正直、天才肌ではないし、SNSでバズったこともありません。
でも美容師を辞めたいと思ったことは、一度もありません。
・「やっぱり平井さんに切ってもらうと安心します」
・「話を聞いてもらって、気持ちが軽くなりました」
・「ここに来るとホッとするんです」
そう言ってもらえる瞬間に、「自分にも価値がある」と感じられたからこそ、今も続けられています。
だから僕は言いたい。
「普通でも、価値はある」
「中間層だからこそ、生き残れる」
最後に|中間層が誇れる業界を、一緒につくっていきたい
仕組みは大事。効率化も不可欠。
でも、それによって個性や存在感が薄れてしまうようでは、本末転倒です。
僕たちは、仕組みで“安心の土台”を整え、
その上に“人間味”という彩りを重ねていくべきだと思うんです。
Root4Beautyも、そんな中間層をしっかり支えられる場でありたいと思っています。
・「目立たないけど、必要とされたい」
・「地味だけど、ちゃんと評価されたい」
・「自分の強みを見つけたい」
そう思う方がいたら、ぜひ一緒にこの業界の未来を考えていけたら嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
