2025.11.19理美容
「選ばれる側」で終わらない美容師へ──長く通ってもらうために必要な“覚悟”
こんにちは、Root4Beautyの平井浩介です。
美容師という仕事に20年以上関わってきた中で、ずっと心にある感覚があります。
それは──
「お客様が美容師を選ぶ」のと同じくらい、僕たち美容師も「お客様を選ぶ」覚悟が必要だということ。
技術、接客、雰囲気、口コミ、SNS──たくさんの要素の中から「この人にお願いしたい」と思ってもらえることは本当にありがたいことです。
でも、そこで終わってしまったら、それは一回きりの関係にしかなりません。
これからの時代に求められるのは、「選ばれたあとに、どう関係を築いていくか」。
今回は、その“覚悟”についてお話ししたいと思います。
「選ばれた」その先にあるもの
新規のお客様が来てくれる理由は、サロンの立地や価格、インスタの投稿、口コミ……本当にさまざまです。
でも2回目、3回目、そして数年先まで通い続けてもらうために必要なのは、「信頼関係」です。
そしてその信頼は、決して一方通行では築けません。
美容師側にも、「このお客様と長く付き合いたい」という意志と覚悟が必要です。
僕たちがどんな思いでその方と向き合っているか。
どんな未来を一緒にデザインしたいと思っているか。
そういう目には見えない“気持ち”こそが、伝わっていくものだと感じています。
「技術」だけでなく「関係性」をつくる仕事
お客様の中には、学生から社会人、結婚、出産、転職と、ライフステージが変わっていく方も多くいます。
そんな変化の中で、ずっと通ってくださるのは、美容師として本当にありがたいこと。
でもそれは、偶然でも奇跡でもなく、「信頼の積み重ね」の結果だと僕は思っています。
たとえば—
- 忙しくても、次回来店のタイミングに合わせたスタイルの提案ができるか?
- 年齢による髪の悩みに敏感に気づけるか?
- 新しい環境やライフスタイルに、柔軟に対応できているか?
こうした一つひとつの積み重ねが、「この人にお願いしたい」という確信につながっていくんです。
「目の前の1回」だけを見ない
最近では、SNSを通じて多くの美容師さんを知ることができるようになりました。
お客様にとっては“選択肢が豊富な時代”だからこそ、一度きりの来店で終わるケースも増えています。
だからこそ、僕たち美容師が意識したいのは、
「今日のお客様を、これからの関係につなげる」という視点です。
施術が終わったその瞬間から、次につながるコミュニケーションは始まっています。
- スタイルのもちを考えた提案
- ちょっとした変化への気づき
- ご本人すら気づいていない髪の悩みへの先回り
これらはすべて、「長く付き合いたい」という覚悟の現れなんですよね。
「選ばれたから、終わり」ではなく「選ばれたから、始まり」
僕はRoot4Beautyの活動を通じて、多くの美容師さんと話す機会がありますが、よく耳にするのが
「もっとリピートされたい」「関係性を築きたいけど難しい」
という声です。
でも、関係性って、お客様が勝手に築いてくれるものじゃない。
美容師側が“築こう”と思わなければ、何も始まらない。
だから僕は、選ばれることをゴールにしない。
選ばれたあと、どんなお付き合いをしていくかを真剣に考えるようにしています。
最後に──信頼は“覚悟”の上に育つ
選ばれることはスタート地点。
でも選ばれ続けるためには、僕たち美容師側の「覚悟」が必要です。
- ただその日をこなす接客ではなく、次を見据えた提案ができているか。
- 技術だけでなく、「人」としての信頼関係を築けているか。
- 目の前のお客様を、どれだけ大切に思えているか。
その積み重ねが、10年、20年と続く関係につながっていく。
僕自身、これからも「今日だけの美容師」ではなく、「未来に寄り添う美容師」でありたいと思っています。
このRoot4Beautyのブログが、あなたの働き方を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。
