2025.05.07理美容

「話しかけづらそうな顔してるよ」って言われたら、美容師としてちょっと怖くない?

こんにちは。

今回は「話しかけられやすい表情」という、ちょっとしたようで実はとても大きなテーマについて、改めて考えてみたいと思います。

美容師として働いていると、技術力やトーク力はもちろん必要です。でもそれ以上に、お客様がどう“感じるか”がすべての評価につながる職業だと、僕は思っています。

その中でも特に、意識しづらいけど確実に影響するのが——表情です。


あるお客様の、何気ないひとことから気づいたこと

ある日、私が担当していたお客様と話していたときのこと。

「〇〇ちゃん、今日はお休みなんですね」

そんな流れから、ふとこんな言葉が返ってきました。

「〇〇ちゃん、ちょっと話しかけづらい雰囲気あるんですよね」

その言い方に悪意はまったくありませんでした。
むしろ、そのスタッフのことを気にかけてくれている感じでした。でも、私の中にひとつの引っかかりが残りました。

「え、なんで“話しかけづらい”って思われたんだろう?」

接客態度が悪いわけでもない。 技術も安定している。 むしろ控えめで真面目なタイプ。

それでも、“そういう印象”を持たれていたんです。


表情は、言葉の前に届いている

改めて考えてみると、話しかけづらさの原因は表情だったのかもしれません。

美容師って、施術中は無言になる時間も多いですよね。
カラーやシャンプーに集中しているとき、ふとした瞬間の表情が険しくなっていないか。

鏡越しに映るその「無言の顔」を、お客様はしっかり見ているんです。

・眉間にシワが寄ってる
・口角が下がってる
・目が合わない

そういう瞬間って、こっちが思っている以上に“印象”として残ってしまいます。


鏡は、もうひとつの接客ツール

お客様は、自分の髪だけを見ているわけではありません。

鏡越しに、スタッフの所作や立ち姿、そして表情までしっかり見ています。

自分では真顔のつもりでも、「ちょっと機嫌悪そうに見えたかも」とか、「何か不安そうな顔に見えたかも」と受け取られてしまうこともある。

だからこそ、美容師にとって表情は、声以上に“届いてしまうコミュニケーション”でもあるんです。


表情も、おもてなしの一部です

表情って、スキルじゃありません。 でも、確実に“接客の一部”です。

・にっこり笑う必要はない
・無理にテンションを上げる必要もない

でも、ほんの少しだけ口角を上げてみる。 眉間の力を抜いて、目の奥に柔らかさを込めてみる。

それだけで、「あ、この人優しそう」と感じてもらえる確率がグンと上がります。

これは技術力やトーク力とはまた違う、“安心感”をつくる接客のかたちです。


「話しかけやすい人」には、自然とお客様が集まってくる

実際に、表情の柔らかいスタッフって、それだけで空気を明るくします。

・リピート率が高い
・お客様から話しかけられることが多い
・なんとなく“また会いたくなる”

こういうスタッフは、必ずと言っていいほど、表情が穏やかで“話しかけやすい空気”をまとっています。

技術やセンスの話になると「自分はまだまだ…」と思いがちな人も、実はこういう“印象”の部分で差をつけられる可能性があるんです。


最後に|鏡越しの自分を、ちょっとだけ意識してみてほしい

サロンという場所は、髪を切るだけの空間ではありません。

お客様にとっては、「癒されたい」「元気になりたい」「自分をリセットしたい」そんな気持ちを込めて訪れる場所でもあるはずです。

だからこそ、言葉だけでなく表情や雰囲気、立ち姿、そういった細かい部分にも“おもてなしの気持ち”を込めたい。

今日、あなたの鏡越しの表情はどう映っていますか?

無言の瞬間こそ、「この人、なんだか優しそう」と思ってもらえるような表情で、目の前のお客様を迎えていけたら——それが、また会いたいと思ってもらえる第一歩になると思っています。

Root4Beautyでは、こういった“技術以外の接客スキル”も大切にしたいと考えています。 何気ないことのようでいて、でもとても大切なこと。


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