2025.11.26理美容
ご新規のお客様と“これから”を育てるために
──前サロンへのリスペクトが信頼の第一歩になる
こんにちは、Root4Beauty編集部です。
今回は、僕自身がずっと意識しているテーマについて書いてみたいと思います。
「ご新規のお客様を担当する時、前のサロンや担当者のことをどう扱っていますか?」
この問いに対して、僕なりのスタンスをRoot4Beautyの仲間に共有できたらと思います。
ご新規という“未来への入り口”
新しいお客様を担当する時。
僕が最も意識しているのは「この方にとって、安心して次の一歩を踏み出せる時間になるかどうか」です。
初回カウンセリングでは、いつもこんなことを聞いています。
・前回はどんな髪型だったか
・どんな時間を過ごされたのか
・気に入っていたポイントや、少しモヤっとしたところはあったか
この“前”を丁寧に聞く時間には、単なるスタイル情報以上の意味があります。
それは、お客様がこれまで大切にしてきたサロン体験に対して、「その時間も尊重しています」という美容師からのメッセージでもあるんです。
「通えなくなった=不満」ではない
新規で来られる方の中には、「前のサロンも好きだったんですけど…」と、何らかの事情で通えなくなった方が多くいらっしゃいます。
・引っ越しで距離が遠くなった
・予約が取れなくなってしまった
・価格や時間の都合で少し変えたかった
そんなお話の奥には、「本当は通いたかった」という気持ちが隠れていることも少なくありません。
だからこそ、美容師として気をつけたいのは、“前のサロンや担当者を下げるような言い方”をしないことです。
お客様の中にまだ残っているポジティブな思い出を、僕たちが壊してしまう必要はありません。
むしろ、そこに敬意を払うことが、これから信頼関係を築いていく第一歩だと思うんです。
敬意をもって“今”に寄り添う
僕がよく使う一言があります。
「前のサロンで大事にされていたこと、すごく良いと思います。
今日はその良さを残しながら、“今のあなた”に合う提案をさせてください。」
この言葉を伝えると、多くのお客様の表情がふっとやわらぎます。
「あ、前のことも大切にしてくれている」と感じていただけるのかもしれません。
そこから自然と「じゃあ、今回はこうしてみようかな」という会話が生まれたりして、
“ただの新規来店”が“次につながる第一歩”に変わるんです。
「今」ではなく「これから」を一緒に考える
新規のお客様には、技術的な提案と同じくらい、「これからのスタイルの育て方」も意識して話します。
・生活リズムが変わるなら、それに合わせた手入れのしやすさを
・子育てや仕事の変化があるなら、余裕のあるスタイル提案を
・季節の変わり目なら、次回来店のタイミングを見越してのご提案も
こうした視点があると、「ただ切る人」ではなく、「私の生活や未来に寄り添ってくれる存在」としてお客様に感じてもらえるんです。
初回こそ、“未来”へのスイッチを押す場に
美容師の仕事を続けて20年以上になりますが、いま改めて強く感じているのは、
「一回の施術で終わらせたくない」
「ずっとこの方と関わっていきたい」
という気持ちです。
その覚悟があると、施術中の言葉、触れ方、表情、全てが変わってきます。
初回こそ、“次につながる接客”を意識すること。
それが、Root4Beautyでいつも語られる「信頼の積み重ね」だと思うんです。
Root4Beautyとして大切にしたい考え方
Root4Beautyは、美容師同士が技術や情報だけでなく、“姿勢”や“人との関係性”についても共有できる場です。
今回のテーマも、技術の話ではありません。
でも、美容師として生きていくうえでとても大事な“土台の話”だと思っています。
これからも、単なる「技術を見せ合う場」ではなく、
「考え方を深め、仕事の意味を見直す場」としてRoot4Beautyを育てていきたいと思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
もしこの記事の内容に共感していただけたら、Root4Beauty内でコメントや感想をシェアしてもらえると嬉しいです。
あなたが最近「このお客様と長く付き合っていきたいな」と思った瞬間は、どんなときでしたか?
Root4Beautyでの共有をお待ちしています。
