2025.10.29理美容

お客様目線、ちゃんと見えていますか?

〜セット面に映る“体験価値”を見直す〜

美容サロンにおいて、「お客様目線で考える」という言葉はよく使われます。
しかし、それを本当に“目線レベル”で捉えているサロンは、意外と少ないかもしれません。

例えば、セット面。
私たちが普段立って施術をする場所ではなく、お客様が座って過ごす数十分〜数時間の空間です。

ここには、お客様の「満足度」や「リピート意欲」に関わる、たくさんのヒントが隠れています。


セット面に座ってみる、という習慣

Root4Beautyでは、定期的にスタッフ全員が「お客様としてセット面に座る時間」を設けています。
この時間で私たちは、

  • 鏡越しに何が映るか
  • 視線がどこに向くか
  • 目の前にあるディスプレイが自然に目に入るか

といった、「視覚的なUX(ユーザー体験)」をチェックしています。

意外と見落としがちなのが、鏡の向こう側の景色です。

後ろに別のお客様がいて、その会話が聞こえたり、スタッフの私語がちらついてしまったり——
そんな無意識の「ノイズ」が、体験価値を下げてしまうこともあります。


商品ディスプレイは“置くだけ”では伝わらない

多くのサロンでは、セット面に商品やPOPが置かれています。
ですが、それが「ただ置いてある」だけになっていませんか?

  • お客様の視線の先にあるか?
  • 説明文は読みやすいか?
  • 手を伸ばして届く距離か?
  • 目に入るけど、邪魔になっていないか?

これらを見直すだけで、商品の注目度が大きく変わります。

Root4Beautyのある店舗では、「鏡の左下30cmの範囲にPOPを設置」するというルールを設けたことで、商品への関心率が明らかに向上しました。


お客様の“行動導線”を想像する

視線の動きだけでなく、お客様がどう動くかも重要です。

  • バッグをどこに置くか
  • スマホや雑誌をどこに置くか
  • 飲み物に手を伸ばす時にどう動くか

その一つひとつに「気配り」が込められているかどうかが、無意識の満足度に直結します。

Root4Beautyでは、「椅子に座った瞬間から退店まで」の一連の動きを何度もシミュレーションしています。
そうすることで、“無意識に快適だと感じてもらえる動線設計”が可能になります。


ちょっとの工夫が「また来たい」を生む

セット面という小さな空間にも、たくさんの工夫の余地があります。

それは決して大きな投資ではなく、

  • POPの配置を5cmずらす
  • 鏡越しに見える背景を整える
  • 使っていない商品を外す
  • スタッフの動線を見直す

といった、小さな“視点の転換”によって改善できることばかりです。


今日からできる、お客様目線チェックリスト

  1. 実際にお客様の席に座ってみる
  2. 鏡越しに映る背景を確認する
  3. 商品POPの位置・読みやすさ・視認性をチェックする
  4. お客様の導線をシミュレーションしてみる
  5. 快適さを妨げている“ノイズ”がないかを点検する

まとめ:「お客様の視界に、何を映すか」を設計しよう

美容サロンの価値は、技術力だけでなく「体験の質」によって大きく変わります。

特に、セット面のような“目の前にある空間”は、お客様の感情に直接影響する場所。
そこに何が映っているか、どこに気が配られているかは、「また来たい」と思ってもらえるかどうかに繋がるのです。

今日の営業後、ぜひ自分の店舗でセット面に座ってみてください。
お客様の気持ちになって、見えてくる世界がきっとあるはずです。


Root4Beautyでは、こうした現場視点での気づきや改善を日々シェアしています。
店舗運営における「見えない工夫」を、これからも発信していきます。


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