2025.10.22理美容
学びを“届ける美容師”になるために — 知識を現場に落とす力
こんにちは、Root4Beauty編集部です。
美容師として私たちは、日々たくさんの学びのチャンスに触れています。セミナー、読書、先輩の技術、業界トレンド…視野を広げる刺激は本当に多いです。
けれど、その学びが“知識”のまま終わってしまったら、それはもったいない。「見て満足」「聞いて満足」で終えるのではなく、目の前のお客様に“価値として届ける力”を持つことこそ、これからの美容師に求められる力だと思います。
ここからは、僕が実践してきた学びを現場で活かす方法と心得、そして変化伴う葛藤との向き合い方を、率直にシェアします。
1|学びの刺激を、自分の中で“問い”に変える
セミナーや講義を受けるとワクワクしたり、新しい知識を得たりします。
ただ、それをただ受け流してしまうと、「いい話だった」で終わってしまう。
僕はいつも、講義や対話の中で必ず一つ、自分への問いを持つようにしています。
たとえば:
- 「これを自分の現場でどう使えるか?」
- 「この技術を今の自分のスタンスに落とすとしたらどう変えるか?」
- 「この考えをお客様に伝えるなら、どの言葉で伝えるか?」
問いを持つことで、受動的な学びを“自分事化”できます。
2|全部を取り込もうとせず、“一つの実験”から始めること
学びが豊富すぎると、すべてを真似しようと焦ってしまうことがあります。だけど、それは続かない。疲れてしまう。
だから僕は、学んだ中で「これはやってみよう」と思えることを一つだけ選び、実践するようにしています。
たとえば、
- 次のお客様では、聞き役に回る時間を意識する
- 会話の途中で相手の目線を合わせて話す
- 薬液置き時間に一度声かけを入れる
こうした小さな実験を、施術の中で試してみる。
その結果を感じることで、次の改善点が見えてきます。
3|振り返る時間を大切にする
実践して終わりではなく、振り返る時間を持つことが大切です。
毎日忙しいですが、週末や月末に「この学びを使えたか?」「お客様との接点で差が出たか?」と自問自答する時間を設けるようにしています。
振り返ることで、自分の変化が見えるようになるし、無意識に流れていた動きに気づくこともあります。
4|人としての関係性が技術をこえる瞬間
実際に、「通うペースを変えようと思わなかった」というお客様の言葉が最近胸に刺さりました。
「髪を切るだけじゃなくて、(美容師)さんに会いに来てるから」
技術が良いから通われる。
もちろんそれも重要です。
でも、それだけでは続かない。
“人として信頼・居心地・空気感”を伴わないと、“また来たい”とは思ってもらえない。
だからこそ、日々の施術だけでなく、所作・言葉選び・沈黙の扱い方・間の取り方まで大切にしたいと思います。
5|変化後に出るモヤモヤとも向き合う
新しいことを試してみても、思い通りにいかないときが必ずあります。
そのとき、「これで良かったのかな?」と迷いや葛藤が出てくるのは自然なこと。
その違和感を無視せず、なぜそう感じるのかを自分に問いかけてみる。
「本当はどうしたかったのか」「その実践は自分にとって意味があったか」
そういう内省を繰り返すことで、自分の軸が少しずつ育っていくと思います。
まとめ:学びを“届ける”美容師でありたい
- 学びは大切。でも見て満足・聞いて満足で終えるのはもったいない
- 問いを持ち、実験し、振り返ることで、学びを現場の力に変えていく
- 技術だけでなく、人として選ばれる信頼を育てること
- 変化の先にある葛藤も、成長の一部であると受け入れる姿勢
Root4Beautyは、美容師同士が学びと悩みをシェアするコミュニティ。
ここで交わされる小さな変化や気づきが、あなた自身の現場を少しずつ変える力になると信じています。
あなたが今日、お客様に届けたい学びや価値は何ですか?
共に、成長し続けましょう。
