2025.04.16理美容
目的を深掘りするということ

美容師にとってカウンセリングは、単にオーダーを確認する場ではなく、お客様の本当のニーズを引き出し、満足度を最大化するための重要なプロセスです。
たとえば、お客様が「カットしたい」と言ったとき、その言葉の裏にある目的をどれだけ深く理解できるかが、提案の質を左右します。
「なぜ髪を切りたいのか?」
この問いを深掘りすることで、表面的なリクエストに留まらず、お客様が本当に求めているスタイルや気分にアプローチすることができます。
カットの目的は人それぞれ
お客様がカットを希望する理由には、さまざまな背景があります。
・気分転換をしたい
「最近なんとなくモヤモヤしているから、髪を切ってスッキリしたい」
こういうお客様には、気持ちが軽くなるようなスタイルチェンジや、ヘッドスパの提案も有効です。
・決まった周期で切りたい
「いつも2ヶ月に1回は切るって決めている」
こういうお客様には、前回との違いや、次のカットまでの計画を一緒に考えるのがポイントになります。
・イメージを変えたい
「髪型を変えて新しい自分になりたい」
こういうお客様には、骨格や髪質を活かしたスタイル提案や、トレンドを取り入れたアドバイスが響きます。
・髪型よりも会話や空間を楽しみたい
「なんとなく話したい」「居心地がいいから来た」
こういうお客様には、リラックスできる雰囲気や、心地よい会話が大切な要素になります。
「髪を切りたい」だけでは、満足度は上がらない
単に「カットですね」と施術を進めるのではなく、お客様の本当の目的に寄り添うことが重要です。
お客様自身が「なぜ髪を切りたいのか?」を明確に自覚していないこともあります。
だからこそ、適切な問いかけでニーズを引き出し、満足度の高い施術につなげることが、美容師の役割でもあります。
たとえば、こんな質問を投げかけるだけでも、お客様の本音が引き出せます。
・「最近、何か髪について気になることはありますか?」
・「普段のスタイリングはどんな感じですか?」
・「季節が変わるタイミングですが、いつもと違う雰囲気にするのもアリですよね」
こうした会話を通じて、お客様が自分でも気づいていなかった要望を引き出し、満足度の高い提案につなげることができます。
普段のコミュニケーションにも応用できる「目的の深掘り」
この考え方は、カウンセリングだけでなく、スタッフや同僚とのコミュニケーションにも応用できます。
・後輩が「技術を学びたい」と言ったとき
「どんな技術を学びたいのか?」
「それを学んでどんな美容師になりたいのか?」
・サロンの運営で課題があると感じたとき
「何が問題なのか?」
「それを解決することで、どうなりたいのか?」
相手の言葉をそのまま受け取るだけでなく、「本当に求めていることは何か?」を考えながら会話することで、より的確なアドバイスやサポートができるようになります。
問いのスキルを磨くことが、お客様の満足度につながる
カウンセリングでも、日々の会話でも、「本当の目的にたどり着く問いかけ」をスムーズにできるようになることが大切です。
お客様の期待を超えるサービスを提供するためにも、「なぜ?」を深掘りする習慣を意識してみましょう。
「あなたは今、お客様の本当の目的にたどり着けていますか?」
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次回のブログもお楽しみに!
