2025.01.10理美容
曖昧なカウンセリングが引き起こすトラブルとは?
美容師にとってカウンセリングは、お客様に理想のスタイルを提供するための大切なプロセスです。
しかし、そのカウンセリングの仕方が曖昧であると、お客様の満足度を損ねたり、思わぬトラブルを引き起こしたりすることがあります。
今回は、カウンセリングにおける「質問の仕方」に焦点を当て、どのように改善できるかを考えてみたいと思います。
「毛量どうですか?」と聞かれても困る理由
ある日、スタッフがカウンセリングでお客様に「毛量どうですか?」と質問している場面がありました。
それに対してお客様の返答は、「毛量とは?」というものでした。
このやり取りを見て、私は改めてカウンセリングの言葉選びの重要性を感じました。
「毛量どうですか?」という曖昧な質問は、美容師側では当たり前に使っている言葉でも、お客様にとっては分かりにくい場合があります。
お客様の立場で考えると、この質問は非常に漠然としており:
- 毛量が多いと感じているか?
- 現状でちょうど良いと思っているか?
- それとも少ないと感じているか?
こういった選択肢を明確に想像できないまま、質問の意図が伝わらないことがあるのです。
その結果、返答に困ったお客様が「適当に答えてしまう」「質問自体を無視する」といった状況が生まれることがあります。
曖昧な質問が引き起こす2つの問題
「毛量どうですか?」という質問のように、曖昧で不明瞭な聞き方をしてしまうと、次のような問題が生じます。
1. お客様が意図を理解できない
質問が漠然としていると、お客様にとっては何を答えればよいのか分からないことがあります。
「毛量とは何を指しているのか?」といった基本的な部分が伝わらなければ、カウンセリング自体がスムーズに進まなくなります。
2. お客様任せになってしまう
「どうですか?」という形式の質問は、お客様に判断を完全に委ねてしまう形になりがちです。
美容師としてのプロフェッショナルな提案力が不足している印象を与え、お客様が「この美容師さんに任せて本当に大丈夫だろうか?」と不安に感じてしまう場合もあります。
具体的で分かりやすい質問の仕方を心がける
曖昧さを避け、お客様が答えやすいカウンセリングを行うには、具体的で分かりやすい質問を心がけることが重要です。
たとえば、毛量に関する質問なら、以下のように工夫できます:
- 「髪の量が多いと感じることはありますか?」
- 「今の毛量はちょうど良いと感じますか、それとも軽くしたいと思いますか?」
- 「ボリュームが出すぎて扱いにくいと感じる部分はありますか?」
これらの質問は、お客様にとって分かりやすく、答えやすい形になっています。
さらに、お客様からの回答を受けて、美容師としての提案を加えることが重要です。
たとえば:
- 「今の毛量なら、少し軽くすると扱いやすくなると思います。」
- 「トップにボリュームを残しつつ、サイドを調整してみるのはどうでしょうか?」
具体的な提案を付け加えることで、お客様との信頼関係を深めることができます。
カウンセリングは信頼構築の第一歩
美容室に来店されるお客様は、「自分の悩みを理解してくれる」「理想のスタイルを叶えてくれる」という期待を持っています。
その期待に応えるためには、カウンセリングの段階から信頼を築く必要があります。
特に、曖昧さを避けた分かりやすい質問や、美容師としての具体的な提案は、カウンセリングの質を大きく向上させます。
それが結果的に「仕上がりに満足した」「またお願いしたい」と思っていただける施術につながります。
おわりに
曖昧な質問の積み重ねは、トラブルやお客様の不満の原因になりかねません。
一方で、分かりやすい質問と適切な提案を行うことで、お客様との信頼関係が深まり、施術全体の満足度が向上します。
Root4Beautyをご覧の皆さまも、ぜひ次回のカウンセリングで「分かりやすく、具体的な質問」を意識してみてください。
その小さな工夫が、お客様の満足度を大きく高める一歩になるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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次回も、美容師としての視点で役立つ情報をお届けします!